Text
これはテストです

このテキストは、撮影の前後で見えているものがどう変化するかを整理するための覚え書きです。現場に立つ前に考えていたことと、実際に歩いたあとに残る感覚には、いつも少しだけ差があります。その差を記録しておくことが、次の撮影の入口になります。 写真は結論ではなく、視線の履歴です。どこで立ち止まり、どの距離で迷い、何を採用し何を捨てたか。そうした判断の連続が、結果として一枚の像に残ります。

観察ノート

朝の光は輪郭をはっきりさせ、夕方の光は面を柔らかくします。同じ場所でも時間帯が変わるだけで、被写体の重心は移動します。まずは30分単位で立ち位置を変えず、光と影の変化だけを観察します。 音や匂い、足元の温度のような、写真に直接写らない情報も同時にメモします。後でコンタクトシートを見ると、写っていないはずの情報が選択基準として効いていることがよくあります。

イメージと距離

被写体との距離は、画角の問題というより関係性の問題です。近づくほど情報は増えますが、文脈は減ります。離れるほど説明は増えますが、体温は下がります。その中間点を探すために、同じ対象を複数の距離で反復して撮ります。 縦位置は身体の起伏を、横位置は場の連なりを拾いやすい。どちらが正しいというより、何を伝えたいかで選ぶべきだと考えています。

編集の方針

編集では、まず似ている写真を隣接させます。次に、似ている中で一番弱い写真を落とします。これを繰り返すと、残るのは説明のための写真ではなく、流れを作る写真になります。 単体で強い写真が、並びの中で強いとは限りません。連続して見るときに必要なのは、強度よりもテンポです。視線の速度が急に止まる箇所は、意図がない限り修正します。

撮影後

公開後に見返すと、撮影時の確信が過剰だったと気づくことがあります。時間が経つと、写真は作者の意図よりも閲覧者の経験に接続されます。その余白を確保するため、キャプションは最小限にします。 最終的には、作品そのものだけでなく、撮影から編集までの判断の履歴が次のプロジェクトの基準になります。この文章もその履歴の一部です。